いよいよオラクルがクラウドを本気に進出した。
これから各メジャープレイヤーの動きは楽しみだ。
クラウド・イン・ア・ボックス:
Oracle、「Exalogic Elastic Cloud」発表——エリソンCEOがクラウドを語る
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1009/21/news018.html
ラリー・エリソンCEOがOpenWorldの基調講演で、同社のクラウド戦略とそれを支える新システム「Exalogic」を披露した。
[Darryl K. Taft,eWEEK]
2010年09月21日 07時07分 更新
米Oracleは、企業が独自のクラウドを自己完結型システムで運営できる新たな製品を発表した。
クラウドコンピューティングの定義に関しては、Oracleは米salesforce.comよりも米Amazon Web Services(AWS)に近い考えを持っており、それが同社が"クラウド・イン・ア・ボックス"システム、「Oracle Exalogic」を発表した理由だ。
Oracleの会長兼CEOであるラリー・エリソン氏は9月19日(現地時間)、サンフランシスコで開催されたOracle OpenWorld 2010の基調講演において、"クラウド・イン・ア・ボックス"の「Exalogic Elastic Cloud」を発表した。このシステムは「あなたのすべてのアプリケーションを稼働させるよう調整されたハードウェアとソフトウェア」だ。
SunとOracleのロゴの付いた光沢のある箱型の筐体は、30台のサーバ、360個のコア、ネットワークシステム、ストレージを搭載する。また、Oracle独自の仮想マシン(VM)技術と、SolarisとLinuxという2種類のOSに対応する。Exalogicシステム内のすべてのソフトウェアには、コアとなるExalogicソフト、OS、OracleのJRockit、HotSpot、WebLogic、キャッシュソリューションのOracle Coherenceが含まれる。
「Coherenceがシステム内の各メモリを同期し、1つの中心的なメモリシステムが存在するかのような錯覚を作り出す」(エリソン氏)
エリソン氏は基調講演を、Oracleにとってのクラウドの意味を説明することから始めた。同氏は、Oracleにとってのクラウドは、salesforce.comにとってのクラウド——同氏はそれを10年以上経過したSaaS(サービスとしてのソフトウェア)技術と呼んだ——と同じだろうか、それともAWSの解釈に近いだろうかと問うた。
エリソン氏は大胆に、salesforce.comは「インターネット上の1つか2つの販売・サービスアプリだ。だが、プラットフォームではなく、仮想化もされておらず、実際はその逆で、セキュリティも脆弱だ。フォールトトレラントではなく、安全ではなく、伸縮性もない」とこき下ろした。
だが、「OracleはAmazon.comに同調する」とエリソン氏。「われわれは、クラウドをプラットフォーム——標準ベースのアプリケーションを開発し、実行するためのプラットフォームだと考えている。クラウドはハードウェアとソフトウェアを包含し、仮想化機能と伸縮性を持ち、多様なアプリが稼働する」
エリソン氏の称賛と模倣は最大級のお世辞ではあるが、Exalogicと同システムで稼働する「Fusion Applications」が特に標的としているのはAWSであると同氏は認めた。
だからこそ、Oracle Exalogicは最速のJava性能を備えているのだとエリソン氏は言う。同システムは伸縮性を備え、フォールトトレラントで拡張性と安全性があるという。メンテナンスも非常に簡単で、ユーザーはOracleからファイルを1つダウンロードするだけで、システム上のすべてのソフトウェアにパッチを当てることが可能だ。
性能に関しては、エリソン氏はExalogicがインターネットアプリケーションで従来の12倍の性能を示したベンチマークテストの結果を紹介した。実際、同システムは1秒当たり100万回以上のHTTPリクエストをこなせる。「つまり、2ラックでFacebookのトラフィックを処理できるということだ」とエリソン氏。加えて、Exalogicはメッセージングアプリケーションが稼働する従来機種より性能が4.5倍向上し、1秒当たり180万件のメッセージを処理できるとエリソン氏は語った。
さらに、Exalogicの稼働コストは低いと同氏は語った。同システムはIBMの最高機種サーバより速く、コストは4分の1だとエリソン氏は主張した。同氏はまた、Exalogicは8ラックまで拡張可能だが、IBMの最高機種であるPower 795では不可能だと語った。
一方、別の発表では、エリソン氏はOracleがLinuxの新バージョンをリリースしたことを明らかにした。このカーネルは、同社の現行Linux OSがベースにしているRed Hat Linuxシステムとわずかに異なる。
「Red HatのリリースはLinuxより4年遅く、それがわれわれにとって大きな問題になっている。われわれはソフトウェアで4年も遅れるわけにはいかない」とエリソン氏は語った。そこで、Oracleは「Unbreakable Enterprise Kernel」を発表した。この新カーネルは、条件によっては5倍速いと同氏は言う。
同氏はそれから、9月20日にOLTP(オンライントランザクション処理)の新製品を発表することなど、幾つかの予告を行った。
同氏は、元IBMのジョアン・オルセン氏がOracleの新しいクラウドサービス部門に加わることにも言及した。同氏の入社は、OracleとIBM間の人材引き抜きをめぐる裁判で凍結されていた。オルセン氏は今回のOpenWorldで登壇する予定だとエリソン氏は語った。IBMはオルセン氏のIBM退社後に同氏を提訴し、Oracleが反訴していた。だが、両社は8月に和解した。オルセン氏は、IBMに30年以上在職してさまざまな役職を務め、退社時にはビジネス・コンティニュイティー&レジリエンス・サービス部門のジェネラルマネジャー職にあった。
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