2010年11月1日月曜日

ソフトウェア開発委託基本契約書

ソフトウェア開発委託基本契約書 
 
  委託者株式会社 A サービス(以下「甲」という。)と受託者株式会社 B ベンド(以下
「乙」という。)とは、コンピュータ・ソフトウェアの開発に係る業務(以下「本件業務」
という。)の委託に関して下記契約条項の通り契約(以下、「本契約」という。)を締結す
る。 
 
第1章  総    則 
 
(契約の目的) 
第1条  甲は、本契約に定めるところにより、甲のコンピュータ・ソフトウェアの開発
に関し、要綱所定の本件業務を乙に委託し、乙はこれを受託する。 
2.甲は乙に対し、本件業務委託の対価として、要綱所定の金額を支払う。 
 
(納入物) 
第2条  乙は、本件業務の成果として、要綱所定の納入物を甲に納入する。 
 
(委託料の支払条件) 
第3条  甲は、本件業務の委託料を、検収完了日から30日以内に乙の指定する銀行口
座に振込むものとする。 
2.前項にかかる消費税等相当額及び振込手数料は甲の負担とする。 
 
(納入期限) 
第4条  第2条に定める納入物の納入期限は、要綱の通りとする。 
 
第2章  本件業務の推進体制 
 
(業務従事者) 
第5条  本件業務に従事する乙の従業員(以下「業務従事者」という。)の選定は、乙が
これを行う。 
2.乙は、労働法規その他関係法令に基づき業務従事者に対する雇用主としての一切の
義務を負うものとし、業務従事者に対する本件業務遂行に関する指示、労務管理、安
全衛生管理等に関する一切の指揮命令を行うものとする。 
3.乙は、本件業務遂行上、業務従事者が甲の事務所等に立ち入る場合、甲の防犯、秩
序維持等に関する諸規則を当該業務従事者に遵守させるものとする。 
 
(主任担当者) 
第6条  甲及び乙は、本契約締結後すみやかに、本件業務を円滑に遂行するため、それ
ぞれ本件業務の主任担当者1名を選任し、互いに書面をもって相手方に通知する。こ
の変更を行った場合も同様とする。 
2.甲及び乙は、本契約に定めた事項のほか、本件業務遂行に関する相手方からの要請、
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指示等の受理及び相手方への依頼、その他日常的な相手方との連絡、確認等は原則と
して主任担当者を通じて行うものとする。 
 
(連絡協議会) 
第7条  甲及び乙は、本件業務が終了するまでの間、その進捗状況の報告、仕様及び作
業の確認、問題点の協議・解決その他本件業務が円滑に遂行できるよう必要な事項を
協議するため、連絡協議会を開催するものとする。 
2.甲及び乙は、連絡協議会の議事内容・結果について議事録を作成し、甲乙双方の責
任者がこれに記名捺印の上、それぞれ1部保有する。 
 
第3章  本件業務 
(業務の実施) 
第8条  乙は前条の連絡協議会で合意したシステム仕様書に基づき本件業務を実施する。 
 
(中間成果のユーザ確認) 
第9条  本件業務で生じた中間成果のうちユーザインタフェースその他の乙が必要と認
める部分に関し、当該中間成果の作成作業が完了し次第随時、乙は甲の責任者の確認
を求めることができ、甲の責任者は確認を行うものとする。但し、甲の責任者以外の
者であっても、甲の責任者が適当と認める場合には、中間成果のユーザ確認に関与す
ることができるものとする。 
2.甲の責任者は、前項の確認を乙が甲に対し中間成果の提示をした日から5営業日以
内(以下「ユーザ確認期間」という。)に行い、当該確認結果を書面にして乙に交付す
るものとする。 
3.甲が乙に対し異議の申出をすることなく、ユーザ確認期間内に中間成果の確認を行
わなかった場合、当該期間満了の日をもって、中間成果のユーザ確認が行われたもの
とみなす。 
 
(再委託) 
第10条  乙は本件業務の一部を乙の責任において第三者に再委託することができる。
この場合、乙は甲に対し、再委託先の行為について全責任を負うものとする。 
 
(第三者ソフトの利用) 
第11条  本件業務を実施するにあたり、第三者ソフトの利用が必要となる場合は、甲
及び乙は、その取扱いについて協議し、甲又は乙と当該第三者との間でライセンス契
約の締結等、必要な措置を講ずるものとする。 
 
(納入物の納入) 
第12条  乙は甲に対し、要綱所定の納入期限までに納入物を納入する。 
 
(検査仕様書の作成及び承認) 
第13条  乙は甲と協議の上、次条所定の納入物の検収の基準となる仕様書、テスト項
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目、テストデータ、テスト方法及びテスト期間等を定めた検査仕様書を作成し、甲の
責任者の承認を受けるものとする。この場合、甲の責任者は、検査仕様書の提出後1
0営業日以内に承認を終えるものとする。甲の責任者が、書面による異議の申出をす
ることなく検査仕様書を承認しない場合、当該期間の満了をもって検査仕様書は承認
されたものとする。 
 
(納入物の検収) 
第14条  納入物については、甲は、乙より納入を受けた日から5営業日以内(以下「検
査期間」という。)に前条の検査仕様書に基づき検査しならない。納入物が検査に合格
した場合、甲の責任者は検査合格書に記名捺印し、乙に交付する。同検査により適合
しない場合、甲は乙に対しその旨を直ちに通知し、補正を求めるものとする。 
2.検査合格書が交付されない場合であっても、検査期間内に甲から書面による異議の
申出がない場合は、検査期間の満了をもって検査に合格したものとする。 
3.前二項の検査合格をもって、納入物の検収完了とする。 
 
第4章  資料及び情報の取扱い 
 
(資料等の提供及び返還) 
第15条  乙から甲に対し、本件業務遂行に必要な資料等の提供の要請があった場合、
甲乙協議の上、甲は乙に対し、無償でこれらの提供を行う。 
2.本件業務遂行上、甲の事務所等で乙が作業を実施する必要がある場合、甲は当該作
業実施場所(当該作業実施場所における必要な機器、設備等作業環境を含む。)を無償
で乙に提供するものとする。 
3.甲から提供を受けた資料等(その一切の複製物及び改変物を含む。)が本件業務遂行
上不要となった場合は、乙は遅滞なくこれらを甲に返還又は甲の指示に従った処置を
行うものとする。 
4.甲及び乙は、前各項における資料等の提供、返還その他処置等について、それぞれ
第6条に定める主任担当者間で書面をもってこれを行うものとする。 
5.乙は甲から提供された本件業務に関する資料等を善良なる管理者の注意をもって管
理、保管し、かつ、本件業務以外の用途に使用してはならない。 
 
(秘密情報の取扱い) 
第16条  甲及び乙は、本件業務遂行のため相手方より提供を受けた技術上又は営業上
その他業務上の情報のうち、相手方が特に秘密である旨書面で指定した情報(以下「秘
密情報」という。)を第三者に開示又は漏洩してはならない。但し、次の各号のいずれ
か一つに該当する情報についてはこの限りではない。 
  �  秘密保持義務を負うことなく既に保有している情報 
  �  秘密保持義務を負うことなく第三者から正当に入手した情報 
  �  相手方から提供を受けた情報によらず、独自に開発した情報 
  �  本契約に違反することなく、かつ、受領の前後を問わず公知となった情報 
  �  相手方から次項に従った秘密情報である旨の表示がなされず提供された情報 
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2.甲及び乙は、秘密情報を相手方に提供する場合、秘密情報の範囲を特定し、秘密情
報である旨の表示を明記して行うものとする。 
3.秘密情報の提供を受けた当事者は、当該秘密情報の管理に必要な措置を講ずるもの
とし、当該秘密情報を第三者に開示する場合は、事前に相手方からの書面による承諾
を受けなければならない。但し、法令の定めに基づき又は権限ある官公署から開示の
要求があった場合はこの限りでない。 
4.甲及び乙は、第2項に基づき相手方より提供を受けた秘密情報について、本契約の
目的の範囲内でのみ使用し、複製、改変が必要な場合は、事前に相手方から書面によ
る承諾を受けるものとする。 
5.秘密情報の提供、返却等授受については、第15条第4項を準用する。 
6.本条の規定は、本契約終了後、3年間存続する。 
 
第5章  納入物の権利帰属 
 
(知的財産権の取扱い) 
第17条  本件業務遂行の過程で生じた発明その他の知的財産又はノウハウ等(以下、
あわせて「発明等」という。)が甲又は乙のいずれか一方のみによって行われた場合、
当該発明等に関する特許権その他の知的財産権(特許その他の知的財産権を受ける権
利を含む。)、ノウハウ等に関する権利(以下、特許権その他の知的財産権、ノウハウ
等に関する権利を総称して「特許権等」という。)は、当該発明等を行った者が属する
当事者に帰属する。この場合、甲又は乙は、当該発明等を行った者との間で特許法第
35条等に基づく特許権等の承継その他必要な措置を講ずるものとする。 
2.乙が従前から有していた特許権等を納入物に利用した場合又は前項により乙に帰属
する特許権等が納入物に利用された場合、甲は、本契約に基づき納入物を自己利用す
るために必要な範囲で、当該特許権等を実施又は利用することができる。 
3.本件業務遂行の過程で生じた発明等が甲及び乙に属する者の共同で行われた場合、
当該発明等についての特許権等は甲乙の共有(持分均等)とする。この場合、甲及び
乙は、それぞれに属する当該発明等を行った者との間で特許権等の承継その他必要な
措置を講ずるものとする。 
4.前各項の定めにかかわらず、納入物の著作権については、第19条の定めるところ
による。 
 
(納入物の所有権) 
第18条  乙が甲に納入する納入物の所有権は、甲より乙へ委託料が完済された場合に、
乙から甲へ移転する。 
 
(納入物の著作権) 
第19条  納入物に含まれる著作物の著作権は、乙又は当該第三者に留保されるものと
する。但し、甲は、納入物の著作物の複製物を著作権法第47条の2の規定に基づき
複製、翻案することができる。 
 
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第6章  保証及び責任 
 
(保証及び責任の範囲) 
第20条  納入物の甲による利用が第三者の特許権・著作権その他の権利を侵害したと
いう理由で甲が第三者から請求を受けた場合、甲の納入物の利用が本契約に違反して
おらず、甲が直ちに乙にその旨を通知し、紛争解決の実質的権限を乙に与えるととも
に乙に必要な援助を行い、以後の処理を全面的に乙に任せた場合、乙は要綱所定の金
額を限度として、甲の損害賠償額又はこれに相当する合理的費用を甲に支払う。但し、
甲の責に帰する場合はこの限りでない。 
2.第14条に基づく納入物の検収後、瑕疵が発見された場合、甲及び乙はその原因に
ついて協議・調査を行うものとする。協議・調査の結果、当該瑕疵が乙の責に帰すべ
きものであると認められた場合、乙は無償で補修・追完を行うものとし、乙の責に帰
すべきものでないと認められた場合には、甲は協議・調査によって乙に生じた費用を
乙に支払うものとする。但し、本項による乙の責任は納入物の検収完了日から12ヶ
月以内に請求があった場合に限るものとする。 
 
第7章  本契約内容の変更 
 
(本契約の内容の一部変更) 
第21条  本契約の内容の一部変更は、当該変更内容につき事前に甲乙協議の上、別途、
変更契約を締結することによってのみこれを行うことができる。 
 
第8章  一般条項 
 
(権利義務譲渡の禁止) 
第22条  甲及び乙は、互いに相手方の事前の書面による同意なくして、本契約の地位
を第三者に承継させ、あるいは本契約から生じる権利義務の全部又は一部を第三者に
譲渡し若しくは引き受けさせ又は担保に供してはならない。 
 
(解    除) 
第23条  甲又は乙は、相手方に次の各号のいずれかに該当する事由が生じた場合には、
何らの催告なしに直ちに本契約の全部又は一部を解除することができる。 
  �  重大な過失又は背信行為があった場合 
  �  支払いの停止があった場合、又は仮差押、差押、競売、破産、民事再生手続開始、
会社更生手続開始、特別清算開始の申立があった場合 
  �  手形交換所の取引停止処分を受けた場合 
  �  公租公課の滞納処分を受けた場合 
  �  その他前各号に準ずるような本契約を継続し難い重大な事由が発生した場合 
2.甲又は乙は、相当期間を定めてなした催告後も、相手方の債務不履行が是正されな
い場合は、本契約の全部又は一部を解除することができる。 
3.甲又は乙は、前各項により相手方より本契約の全部又は一部が解除された場合は、
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相手方に対し負担する一切の金銭債務につき当然に期限の利益を喪失し、直ちに弁済
しなければならない。 
 
(損害賠償) 
第24条  甲及び乙は、本契約の履行に関し、相手方の責に帰すべき事由により直接の
結果として現実に被った通常の損害に限り、相手方に対して要綱所定の委託料の限度
内で損害賠償を請求することができる。 
 
(合意管轄) 
第25条  本契約に関し、訴訟の必要が生じた場合には、東京地方裁判所を専属的合意
管轄裁判所とする。 
 
(仲裁) 
第25条  甲及び乙は、本契約に関する一切の紛争は、「ソフトウェア仲裁センター」に
より、東京において同仲裁センターの仲裁規則に従って最終的に解決され、両当事者
はその仲裁判断に拘束されることに合意する。
 
 
(協    議) 
第26条  本契約に定めのない事項又は疑義が生じた事項については、信義誠実の原則
に従い甲乙協議し、円満に解決を図るものとする。 
 
 
    本契約の証として本書弐通を作成し、甲乙記名捺印の上、各壱通を保有する。
 
 
2004年8月25日 
 
 
甲  株式会社 A サービス  
代表取締役社長      a
 
乙  株式会社Bベンド 
代表取締役社長      b
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