中国人の金儲け、日本人の金儲けここが大違い!
商品情報
・発行年月:2010年03月
・サイズ:単行本
・ページ数:223p
・ISBNコード:9784776205951
100年に一度の経済危機が日本に大打撃を与えています。しかし、一方の中国は経済的な大躍進を続け、GDPで日本を抜いて世界第2位になろうとしています。技術力では圧倒的な優位を誇っていながら、なぜ日本は中国の後塵を拝すことになったのでしょうか。
本書では、テレビ・雑誌等で活躍し、日中の経済・社会問題についての発言に定評のある宋文洲氏に田原総一朗氏が、「中国人と日本人の金儲けの違い」についてズバリ直撃します。この中国の成功にどう学ぶか、日本人はどうすべきかに斬り込んでいきます。日本のビジネスマン、経営者にとって、この不透明な時代を勝ち抜くヒントを提示する一冊になっています。
目次
第1部 「大」の時代の終わり
「大」がつくものに、ロクなものはない
巨大タンカーはなかなか方向転換できない
明治以来の国づくりの終焉
ヨーロッパに学べ
世界第二位の経済大国から転落する日
第2部 なぜ「大」はダメか
近代日本の右肩上がり政策の破綻
「右肩下がり」に転じ失われた10年
人口減で決定的な「右肩下がりの時代」へ
シェア拡大企業の没落
第3部 「大」に代わる新しい価値観とは?
近代日本を牽引した官僚制
政官と不即不離の旧体制産業
存続するためにのみ存在する企業
自立も自律もできない日本人
これが新しい価値観だ!
【目次】(「BOOK」データベースより)
プロローグ
第1章 なぜ日本の企業は儲けを目指さないのか
GM、AIG、大きい会社から次々に倒れた
「もっと頑張れ!」と言う会社は儲からない
ほか
第2章 大きくてダメな会社、小さくてすごい会社
問題は「大なら安泰だ」という大企業精神
「大企業病」に蝕まれていない会社は何が違う?
ほか
第3章 よいカネ儲け、悪いカネ儲け
カネ儲けによい、悪いはあるのか
「カネ儲け」の否定は資本主義の否定になる?
ほか
第4章 「大」にしがみつかない生き方
巨大なものに頼る時代から自らの足で立つ時代へ
生きる力とは失敗に耐える力だ
ほか
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
宋文洲(ソウブンシュウ)
1963年、中国山東省生まれ。84年に中国・東北大学を卒業後、翌年北海道大学大学院に国費留学。同大学院工学研究科を修了。天安門事件で帰国を断念し、日本の会社に就職するも、勤務先が間もなく倒産。92年にソフト販売会社ソフトブレーンを創業し、代表取締役に就任。経営を通して日本企業の非製造部門の非効率性を痛感し、98年には営業など非製造部門の効率改善のためのソフト開発と販売、コンサルティングサービス提供開始
田原総一朗(タハラソウイチロウ)
1934年、滋賀県生まれ。60年、岩波映画製作所入社、64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。現在、早稲田大学特命教授として、「大隈塾」塾頭も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
黒木さんブログからコメントが見つかった。ちょっと面白いので、引用します。
http://blog.kurogi.com/?eid=838055
中国人の金儲け、日本人の金儲け ここが大違い! 宋文州著 読了
著者の宋文州氏は、中国から留学生として日本の大学で学び、
ソフトブレーンの創業者として東証一部上場企業を育て、
「やっぱり変だよ日本の営業」 など数々の日本のビジネス慣行への
疑問を呈して、現在は中国にてインターネットビジネスなどに従事されています。
ご本人も指摘されていますが、タイトルはちょっと目を引くものなので、
読書を多数されるかたにとっては、ちょっと胡散臭いとうつる可能性も
ありますが、至って実直な本です。
タイトルで迷うくらいならば、1400円払ったほうが後で後悔しません。
評論家の田原総一郎さんの疑問に対して、宋氏が回答するといった
スタイルで、日本と中国の政治・経済に関する諸課題についての
オピニオンをまとめられた一冊になっています。
テーマを目次からご紹介します。
1.なぜ日本の企業は儲けを目指さないのか
2.大きくてダメな会社、小さくてすごい会社
3.よいカネ儲け、悪いカネ儲け
4.「大」にしがみつかない生き方
このようなテーマ設定で、日本の課題について田原氏が感じている
課題を日本の企業は?中国の企業は?日本の政治は?中国の政治は?
という形で、さまざまな大小の実例をあげながら議論されています。
私が著書の中で響いた言葉を数点引用させていただきます。
宋氏発言
「男も若いとき、自分に自信のないときに、下半身のサイズを
きにしますものね。やっぱり『大』じゃなければダメだ、
どうやって伸びるだろうと、私は本当にそう思ったもの(笑)。
『大』への憧れは、未熟さを象徴しているんじゃないかと思います。
自信のなさの象徴と言ったほうがいいかな。(以下略)」
宋氏発言
「(前略 トヨタが世界一の販売台数を目指したことを踏まえて)
トヨタの例では思うのは、
日本企業は組織内部で自己否定するのが難しいということですよ。」
田原氏発言
「『生きる力』って何?」
宋氏発言
「私は一言で言うと『失敗に耐える力』だと思う。結局、華僑なんて失敗の連続ですよ。
もともと強奪されて、もう国に全部奪われて、命からがら船に乗って出っていった。
たどり着いた場所で、包丁1本から始めて、失敗を繰り返しながらやっていった。
これは私自身も同じです。」
宋氏発言
「私の知り合いの日本人には、中国はじめ海外でずっと仕事をしている人が多いですが、
多くの日本人はあまり海外に目を向けない。
私は、日本という国が長期的にもっとよくなるには、国策でも産業でもなくて、
日本人一人ひとりがよくなるしかないと思います。
日本はアジアでトップの先進国で、技術力も高く、教育水準が高い国民がいる。
この日本人が昔の『浪人精神』を発揮して、個人で中国大陸に渡って
商売するようになれば、日本はすごくよくなると思う。」
ビジネスの世界で成功を収めた宋文州氏の発言は、
私自身いつも氏のメールマガジンを拝読しながら、
日本の課題を的確に指摘されている点に感銘を持つのですが、
加えて、きちんとソリューションを提示されている点に経営者として利点を感じます。
ご指摘の通り、日本政府に頼っても、属する企業体に頼っても、
結局生きていいくのは一人ひとりの力に他なりません。
他人をとやかく批判する前に、自分自身がやることを定め、
出来ることはないかと、振り返り行動を繰り返していくしか方法はないはずです。
私自身も、昨年上海の街を歩いて、
郊外の太倉市という街を歩いた感想として、
日本人がもっと仕事をして、この街にすむ人々に貢献できることは
多々存在していると実感しました。
現在の中国には、日本が貢献できそうな分野だけでも、
娯楽が乏しい、管理体制が構築されていない、
教育システムが確立されていないなど、様々な課題が山積しています。
要はやるかやらないかだと思います。
勝海舟は日本自体の危機であった江戸幕末の頃から、
日本と韓国、中国が力を合わせて発展していけば、
西洋に伍することない力を発揮できると確信していました。
ここ1500年の歴史を振り返っても、これらの三国は
様々なコミュニケーションを図りながら切磋琢磨した歴史があります。
そのバックグラウンドを生かすことこそ、日本の切り札だと切に感じます。
熱くなれる一冊でした。
宋 文洲
アスコム
¥ 1,470
(2010-02-26)
コメント:レジュメとしてポイントが、テーマごとにまとめられているので、日本と中国の違いをざっくり知りたい方にもお勧めです。ただ、ちょっとタイトルは硬いです。
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